2016年01月26日

Linked Poem Circus#4「種子」


2016年1月15日Linked Poem Circusで共通のタイトルを「種子」として、ひとりひとりが自由に書いた作品です。

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実になるまでは
あかせない

かとうゆか

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転がりおちた。
恐かった。
受け入れられた。
寒かった。
いつの間にか暗闇だった。

でもね、おいでおいでと囁かれ
すこし顔を出してみた。
陽が射して、風が吹いて、
夜は星が美しい。
雨も降るけど、なかなかいい。

いいよ、ここは、とてもよい。

恵矢

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蒔く人が陽を背に
ひとり
こちらを向く者がもうひとり。
今日、何度か彼等は擦れ違った
が自分の足跡など決して踏み直さず
役目を続けている。
畝には傾斜した影
そしてそこから揮発する
視線
は彼等の先達のものでもあるようだ。

satole

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乗りこなすことができるのです
書きこなすことさえできるのです
いっさい
手を使わないで

ジュテ

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一月の北半球に幾兆の種子眠り居て





人立ち騒ぐ

青条

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選ばれぬミックスナッツの夜




の皿

青条

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固い固い殻に身を潜め
深く深く土の中に眠っていたのです
凍った冬も日照りの夏も
息をすることすら出来ず眠っていたのです
そのようにしか生きる術を持たなかったのです

いくつの季節が過ぎたでしょう
ふと気付けばあなたの暖かい風の中
今、芽吹こうとしているのです
緩やかに密やかに
嫋やかにしなやかに

noriko

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草ぼうぼうの
荒れ果てた地平に
一つ花が咲いた

花はおそれていた
種の中にくるまれていた頃
外界へぽんと
出奔してゆくのを
澄んだ空気に絡む
あかるい芽を出すことを

種は土の重みに耐えかね
叫びをあげた

Pong!Pong!Pong!

赤いけしの花が
一つ開いて
よるの闇の狭間に

葉山美玖

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posted by voicecircus_host at 13:43| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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